学校の生物担当教員や愛好家らでつくる佐賀自然史研究会は1月27日、白石町の杵島山などで自然観察会を開いた。子供から大人まで約30人が参加。「厳冬期の生き物たち」をテーマに、カスミサンショウウオの生態や植物などを学んだ。 杵島山中腹にある水堂安福寺ではカスミサンショウウオを観察。体色や生態、水中になる卵のうの特徴などを確かめた後、同町の有明西小で顕微鏡などを使って詳しく調べた。また、同行程に生える植物の名前の由来なども説明した。 子供たちは生き物や雑草を実際に触りながら、興味を覚えていた。同研修会の冬季の観察会は初めて。鹿島市の有明海沿岸でカモ類などの野鳥観察会も実施した。
白石町須古の「水堂さん」(安福寺)はお盆を目前ににぎわいを増す。初盆を迎える家族らが仏前に供える霊水を求めてやってくるからだ。ここは白石平野を見下ろす杵島山の中腹にあるわき水が管から流れ出ている小さなお堂は本堂に隣接する。イチョウやクスなどの大木がつくる木陰に、入れ物を手にした順番待ちの列ができる。容器は昔は一升瓶、今は軽くて割れないペットボトルだ平安時代、病気に苦しむ高倉天皇の夢の中に観 音様が現れる。安福寺の霊水をというお告げに、それを取り寄せて飲んだら治ったという由来がある。参拝者は新仏や先祖の供養に霊水を受けるほか、霊水は腐ることがないと重宝がられている出水が始まる5月は鹿島地区、7月盆の前は佐世保、有田地区、8月盆の前は白石平野一帯と参拝者に流れがあるのも往時のにぎわいぶりを伝えている。今は茶やコーヒーに最適とミネラルウォーターとしての人気がある霊水信仰は水不足に苦 しむ地方にみられるという説がある。白石平野は有明海が干陸化してできた。水道が普及するまでは飲み水は地下水に頼り、井戸でくみ上げた。日照りが続くと井戸の水は枯れたり、塩辛くなったりした混じり気のない真水に飢えた住民は山のわき水を敬い、霊的なものを感じたというのだ。水は生命の源という切実な思いが込められている。お堂の壁からちょろちょろと流れ出てくる出水はその思いを象徴しているようだ。それにしても今は水をぜいたくに使い過ぎている。